下のブックレットを読了。
全体に興味深かったのだが、一番おもしろかったところを一部引用して紹介。
(ソ連崩壊後)1995年3月ウクライナのクチマ大統領を訪日招待したのを皮きりに人的交流が進められた。これらの訪日招聘を通じ、山地遊牧民の末裔たるキルギス人の純朴さ、草原の遊牧民の末裔たるカザフ人のおおらかさと時間のルーズさ、定着農耕民・商業民ソグド人の末裔たるウズベク人の緻密さと形式へのこだわり、そしてウクライナ人の文章表現へのこだわりと反露勘定の強さなど民族性の違いを目の当たりにすることができたが、ほぼ共通していたのは大統領は絶対君主であり、随員は閣僚といえども一「臣下」にすぎないこと、一方、外国訪問の成果は締結した協定など合意文書の数ではかる旧ソ連の慣習を引き継いでおり、できるだけ多くの取り決め・文書を締結したがったことであった。……ナザルバーエフ大統領の訪日時、細川総理との首脳会談の翌日、京都に向かう新幹線の車中で細川内閣総辞職のニュースが入り、仰天する大統領一向に対し、日本政府は首班が変わろうとも、約束したことは必ず守ると説明し、納得してもらうのに苦労したものである。
テュルク族の世界―シベリアからイスタンブールまで (ユーラシア・ブックレット)
- 作者: 廣瀬徹也,ユーラシア研究所ブックレット編集委員会
- 出版社/メーカー: 東洋書店
- 発売日: 2007/10
- メディア: 単行本
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