天才!志村どうぶつ園という「動物バラエティー」番組がある。子どもが好きで、毎週観ることになっている。
今日は、雪の中でタレントさんが次々とウサギを発見しては持ち帰り、ビーバー、エゾタヌキ、トナカイも見つけて連れ帰るというシーンがあった。寒さに適応した動物たちということだろう。
「(映っている雪景色を指して)ここって日本?」と家人も言う。
出てくるウサギもビーバーもタヌキも、人間が近寄っても逃げるどころか捕まえてもらうのを待っているような感じだ。トナカイももちろんしっかり首輪の跡がある。
バラエティーだから何でも許されるかというと、そうではないだろう。野生の動物は決して人間に近寄っては来ないし、だからといって餌付けするのも様々な点で良くない。しかし、子どもも観ているのだから、「カワイイー、買って、買って、飼いたい」などと自然や動物の知識を捨象させて、欲望だけを膨らませてしまうような番組のつくりはいかがなものかと思う。
そのあとは、随所に動物の赤ちゃんや子どもを登場させるのだが、これとて、雑種の動物は一匹も出ず、みんな純血種で種の「名前」のついたものばかり。ペットとして販売するために繁殖させているのではないかと思われる。こうしたかわいい動物たちも、かわいいだけでは済まない世話や管理が必要なはずだし、純血種には病気や奇形も多いと聞く。かわいいからと飼いはじめた動物がさまざまな面で手に負えなくなり、あちこちに捨てられるというのは、「かわいそう」コーナーだけでは防げないはずだ。「かわいそう」は情動的な認識であって「知識」や「責任」の端緒にはなっても、それらそのものではないからだ。
うちの子も動物が飼いたいという。しかし、我が家ではぬいぐるみを丁寧に修理しながら楽しむというのが適正なところなのだ。