前提がおかしいとSDHもなんの意味もない。気づきもなく、差別的な医療観・人間観に余計な肥料を与えるだけということになる。
医療者養成に必要なのは、医学生や医師に対する教育以前に、医療制度を変え、その医療制度に合わせた社会に変えること。医師だけ、あるいは医療従事者をいくら座学やフィールドワークで「教育」しても、受け止める側のはじめから方向性が差別医療と医療差別であれば、なんの意味もない。
その差別医療と医療差別とを支えているのは当該医療従事者の出自というよりは、現在の財政的裏付けも含む医療制度。
それだけでは済まないけれど。
現場の教育力だけに頼らず、自覚的な医療労働者が奮闘しなければ、医療が医療格差・命を格差を拡げ、決定的にしてしまうような言説は、社会がそうなのだから、いっそう増えるだろうと思う。
SDHとは
ドクタービジョン+(株式会社メディカルリソース)
https://www.doctor-vision.com/dv-plus/column/knowledge/sdh.phpSDH(健康の社会的決定要因)とは?医師が知っておきたいポイントを解説
(2023.10.31)
SDHとは
SDHはSocial Determinants of Healthの頭文字を取った単語です。日本語では「健康の社会的決定要因」などと訳され、病気の背景には生物学的な要因だけではなく、社会的要因(教育・就業・生活環境・社会環境など)が存在するということを示す言葉です
世界保健機関(WHO)は、SDHを以下の10項目に分類しています。①社会格差 ②ストレス ③幼少期 ④社会的排除 ⑤労働 ⑥失業 ⑦社会的支援 ⑧薬物依存 ⑨食品 ⑩交通
「患者の健康観や病いに対する価値観を理解するうえで、健康に関わる知識(定義、健康寿命、健康生成論、ウェルビーイング、QOL、SDH、ICF、UHC等)を活用し、健康問題に対する包括的アプローチが実践できる」ことや、「診断・治療(のみ)を問うのではなく、遡及的に背景・経緯を探り、SDHの視点から、なぜその患者がそのような状況になったのか考察を行う」
WHOは、SDHへの対応として下記3つを推奨しています。
- 生活環境の改善
- 不公正な資源分配の是正とそのための組織連携
- 健康格差の測定とそれに対するあらゆる取り組みや政策の影響評価
(竹内想さん)
であるから、SDHは患者の経済的背景や学歴、家族関係を洗い出して、「低学歴」だ「生活保護受給者」だ、どこそこに住んでいる、どんな職業だ、あるいは「外国人」だ「在日」だということを明らかにして、「やっぱりね!」(ダメ人間!)と納得したりラベリングしたり見下したりするためのツールではないのである。










