ダニエル・バル=タルの「紛争のエトス」

イスラエル社会を覆う「被害者意識」「戦いのエートス」とは何か 社会心理学者がガザ戦闘の背景にある精神を読み解く

2025/06/27 (共同通信エルサレム支局長 平野雄吾さん)

 開戦から1年半以上が経過したパレスチナ自治区ガザの戦闘で、イスラエルでは、予備役の一部が停戦を求める書簡を公開するなど厭戦気分も起き始めている。だが、ネタニヤフ首相が掲げる「(イスラム組織)ハマス壊滅」への支持は根強く、戦闘が終結する兆しは見えない。イスラエルはさらにイランも攻撃、戦線を拡大している。1948年の建国以降、常に周囲と紛争を繰り返すイスラエル。その好戦的な姿勢の背景には、ナチス・ドイツによるホロコーストユダヤ人大量虐殺)を巡る教育をはじめ、社会に醸成された強固な「被害者意識」や「戦いのエートス(気質)」がある。社会心理学者でテルアビブ大名誉教授ダニエル・バルタル氏はそう指摘する。イスラエル社会の集合意識についてオンラインで聞いた。(共同通信エルサレム支局長 平野雄吾)
(以下はリンク先で)

https://nordot.app/1301095404732990315?c=39546741839462401



ChatGPTに質問

社会心理学者でテルアビブ大名誉教授ダニエル・バルタル氏の言う、イスラエルイスラエル人の「被害者意識」「道徳の崩壊」「道徳上の権利獲得」「道徳的な沈黙の強要」という4つのタームについて、原語ではどういう単語が使われているか、教えて下さい。できれば出典も示してください。

ChatGPT:

ダニエル・バル‐タル(Daniel Bar‐Tal)名誉教授が提示する以下の4つの概念に関して、原語(主に英語表現と、その背後にあるヘブライ語ニュアンス)で使われている言葉と、出典をご紹介します。

1. 被害者意識(Victim consciousness / Victim‑hood identity)

英語:Victimization、perceived collective victimhood、claim to exclusivity of victim status
出典:Bar‑Talらの “A sense of self‑perceived collective victimhood in intractable conflicts” (2009) では、“perceived collective victimhood” を用いて集団の被害意識を論じています。



2. 道徳の崩壊(Moral disengagement / Moral decay)

英語:Moral disengagement(道徳的免罪化)、dehumanization(非人間化)
出典:Euronewsのインタビュー記事では、バル‐タル氏は「moral disengagement」と「dehumanisation of Israeli society」という表現で議論しています。



3. 道徳上の権利獲得(Moral entitlement)

英語:Moral entitlement(道徳的権利)
出典:同じインタビューにて、“moral entitlement – the feeling that Jews are allowed the privilege of committing cruelties to defend themselves” という具体的な説明とともに使われています。



4. 道徳的な沈黙の強要(Moral silence / Imposed silence)

英語:Moral silence(道徳的沈黙)、silence of psychologistsなど
出典:「Psychologists’ silence」に関連してBar‑Onの論文 “The Silence of Psychologists” では、道徳的問題へ言及しない沈黙状態について触れられています studylib.net。また、Euronewsなどでも「沈黙」が倫理的問いへの答えを封印しているという文脈が語られています 。



4-2 ゴルダ・メイア Golda Meir

ゴルダ・メイア氏の発言について

実際にメイア氏が ホロコーストで支援の手を差し伸べなかった欧州諸国には、われわれに説教する権利はない」 と発言したことを裏づける一次資料や録音記録は、現時点で確認できません。

多くの言及はむしろ、Shulamit Aloni によって2002年以降に語られた「Eichmann 裁判の後、『今やみんなが私たちにしたことを知っている。だから私たちは何でもできる。誰にも批判する権利はない』」という趣旨の話に由来するものであり、それがゴルダ・メイア本人の発言として伝えられてきたものです 。

その Aloni による伝聞版の英訳例は:
“After the Eichmann trial… now, when everyone knows what they did to us, we can do anything we want, and no one has the right to criticize us and tell us what to do.”

この文が、しばしば「ホロコーストの後に支援しなかった諸国には説教する権利がない」という意味として言い換えられている可能性があります。

出典:
CAMERAイスラエルパレスチナ問題に関する監視団体)の分析記事によると、このクォートは Aloni が 2002 年の Gush Shalom 会議で述べたものが出発点とされ、その後 2009 年の Haaretz Op‐Ed、さらに 2014 年 Gideon Levy によりゴルダ・メイアに帰されて報道されたものの、出典は確認できないと批判されています 。


まとめ

日本語訳 英語原語 出典例
被害者意識 Victimization / perceived collective victimhood Bar‑Tal et al., 2009 The Jewish
道徳の崩壊 Moral disengagement / dehumanization Euronews インタビュー
道徳上の権利獲得 Moral entitlement Euronews インタビュー
道徳的な沈黙の強要 Moral silence / Silence of psychologists Bar‑On論文



これらはいずれも、バル‐タル氏の「紛争のエトス」(ethos of conflict)理論の重要な構成要素であり、特にイスラエルパレスチナ紛争における「集団心理学的障壁(socio-psychological barriers)」の分析において繰り返し用いられています。より詳細な議論や背景に関しては、彼の著書『Intractable Conflicts』(2013)や関連論文をご参照いただくことを強くおすすめします。




参考

CAMERA

CAMERA(Committee for Accuracy in Middle East Reporting and Analysis)は以下のような特徴を持つアメリカに本拠を置く、親イスラエル系のメディア監視・評価団体です。

基本情報
  • 正式名称:Committee for Accuracy in Middle East Reporting and Analysis(旧称:…in America)
  • 設立:1982年、ワシントン・ポストレバノン侵攻報道への反応として創立
  • 本部:米国マサチューセッツ州ボストン
  • 代表:Andrea Levin(以前は創設者 Winifred Meiselman、最近まで長年の実質的リーダー)
  • 会員数:公式には65,000名超の有料会員
構成員・主張・活動傾向
  • 構成員:メディア専門家、市民活動家、学生など。学生向けには奨学金つきフェローシップ制度も提供 。
  • 政策傾向:明確に「親イスラエル(pro‑Israel)」であり、「中立」を標榜しつつ、右派ホークな立場に近いと批判されることも 。
  • 批判:
主要な主張・目標
  1. メディア監視と是正要求
    • 国際メディア報道を日々監視し、誤報やバイアスがあれば訂正を要求 。
  2. 教育現場での活動強化
    • K‑12や大学キャンパスに対し、「反イスラエル」「反ユダヤ」傾向への対抗教育を実施。
  3. キャンパスでプロイスラエル派の支援
  4. クリスチャン保守層との連携
資金源
  • 主な寄付者:
    • シェルドン・アデルソン(カジノ王)から数十万ドル規模の寄付あり 。
    • IT・金融業界の富裕層(例:セス・クラーマン氏)による高額寄付も報告 。
  • 会員費・寄付金:65,000超の有料会員からの寄付に加え、各種大会や講演などでの寄付収入もある 。
  • 資金開示:一部寄付者は公開されているが、全体の透明性については2012年時点で「不十分」との指摘も 。
合法性・公式地位
  • 法人格:非営利(NPO)法人。アメリカ登記・IRS課税免除対象 。
  • 国際展開:米国内各都市の支部に加え、英国(CAMERA‑UK)、イスラエルなどにも組織あり 。
  • 合法性:公的に認可された非営利組織であり、活動法的に問題はなく、メディア訂正要求も表現の自由に基づくものとされる。
要点まとめ
項目 内容
設立 1982年、ワシントン・ポスト報道への抗議で設立
目的 イスラエル報道の正確化・バイアス是正
活動 メディア監視、訂正要求、教育活動、学生支援
傾向 イスラエル/ホーク系、右派寄り
資金 富裕層寄付(アデルソン等)、会員費中心
合法性 IRS認可済みNPO、米国・英国・イスラエル展開
批判 攻撃的手法、Wiki介入、透明性不足など