辞書によれば、エスペラントの Gurdo は、「手回しオルガン」のことらしい。手回しオルガンを演奏するという動詞は gurd/i である。
Konciza Etimologia Vortaroによれば、hurdy-gurdy という英語がその語源で、後ろの部分の gurdy と gurd/o gurd/i は一致してくる。
Gurdo の語源はひょうたん?
AIにたずねてみれば、gurdo の語源は古フランス語の gourde だという。
語源の変遷: 18世紀から19世紀にかけて、フランスで手回しオルガンが流行した際、その楽器や演奏者を指す俗語として gourde や gourdiner という言葉が使われました。
さらに遡ると: 諸説ありますが、もともとは「重い」「鈍い」といった意味を持つ古い言葉に由来しており、洗練された音楽とは対極にある「単調で重苦しい音を出す機械」という軽蔑的なニュアンスから楽器名に転用されたと考えられています。
ところで、Google Translate で gourde をフランス語として訳させると「ひょうたん」と出るしスペイン語でも同じだった。
それをAIにたずねると、ひょうたんは中身がカラっぽ(それは用途によるだろう!)→まぬけ→技能のない者でも手回しオルガンなら演奏できる→手回しオルガンの俗称、という説明をしてきた。つまり頭がカラでも演奏できる「おまぬけひょうたん楽器」という意味だと。どこまで信用してよいかわからない。
gurd- の用法
Tekstaro で調べてみると、ザメンホフには動詞としての用例はなく(tekstaroには収載されておらず)、20世紀末以降の Monato や21世紀に入ってからの Le Monde Diplomatique の用例ばかりがヒットする。
全部の用例をいちいち訳す時間も能力もないが、まあ「同じことを繰り返す」という意味で使われていて、まあ、自然な比喩ではある。
単語そのものの、もとの意味どおり「手回しオルガンを演奏する」という用例のほうがまれであるようだ。
- Fari aŭtomate maŝine, rutine, kvazaŭ turnante senpense la krankon de gurdo: gurditaj (banalaj, tede ripetitaj) frazoj. (PIV)
- gurdita frazo きまり文句(エス日辞書)
- gurdi fanfaronon 自慢話を繰り返す
- gurdaĵo de stultulo 馬鹿の一つ覚え
- Rokgrupoj remalkovras sovetajn gurdaĵojn. ロックグループはソ連時代の「ヒット曲」をカバーし、(Le Monde.. ロシアに広まるソ連ノスタルジー)
- La deziro, gurdata ĉe niaj socialistoj... 社会主義者が飽かず口にしてきた要求(Le Monde... リスボン条約も国民投票にかけるべきだ)
- Kiel ĉe ĉiu nova milito, tiuj gvidantoj gurdas la saman rekantaĵon 指導者は戦争のたびに同じセリフを繰り返してきた。(Le Monde... 対ガザ戦の結果はイスラエルの想定内か?[ガザ---対パレスチナ戦争の意外な反撃])
- S-ino Merkel, la IMF kaj la ECB ne ĉesis gurdi, メルケル首相や国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)は絶えず訴えてきた。(Le Monde ... キプロスの教訓)
- Kaj, dum tiuj dek kvin jaroj, la samaj personoj gurdas la samajn sloganojn... この15年間、イスラエルは同じスローガンをまくしたて (Le Monde ... 立ち上がるパレスチナの民衆)
- Tridek jaroj da novliberala gurdado forĵetitaj …マスコミが新自由主義的な報道に集中した30年は地に落ちてしまった。(Le Monde ... 怒りの時)
いずれにしても、gurdi は飽きるほど、同じ主張を繰り返す・垂れ流す、という意味で使われており、多くは(国内・国際)政治の場面でのマンネリや、無能、紋切り型の応答による対話の不成立、真実の隠蔽、などの批判として使用されているように思う。「ヒット曲」が gurdaĵo というのは、言いえて妙な用例だが。