Subject to ~ / Sub rezervo de ~ 再論

英文の「Subject to... 」をエスペラント「Sub rezervo de ... 」と訳している例が少なくないことについて、

というノートをしておいた。
だが、じゃあどう訳すのですか?という結論については前者の記事で「本来のエスペラントなら: 文脈に応じて kondiĉe de(条件)、krom se(例外)、konforme al(準拠)などと書き分ける方が、万人に開かれた言語としての透明性は高まったはずです」とChatGPTが言うので、kondicxe de を採用して学習を進めていた。


だが、読めば読むほど kondicxe de には違和感が強い。単に laux ではなぜダメなのか。


もういちどAIにたずねてみる。(結論は最後に)

Copilot

最近、Copilot の方が回答に揺らぎがないような気がしている。

 人権条約は加盟国に何かを義務付けたり免除したりする文章において、英語で Subject to the provisions... というような書き方がしばしばなされています。外国の権威あるエスペラント翻訳者はこれを Sub rezervo de la preskriboj/disponoj/provizioj などと訳していますが、これはフランス語あたりの直訳であろうと私は考えています。sub rezervo では条項に従うことを条件になどと訳せないからです。
 そこで、kondicxe ke ... という書き方を用いることが可能である場合もあるのですが、kondicxe de としている訳もあります。kondicxe de la preskriboj... しかしこれなら、laux la preskriboj と書けば良さそうにも思います。
 丁寧に書けば、kondicxe ke la membrosxtatoj obserbas la preskribojn... となると思います。kondicxe de という訳の採用で良いと思いますか?


回答の抜粋:
“kondiĉe de la preskriboj …” は、意味論的に不正確であり、採用すべきではありません。

国際条約で “Subject to …” が使われるとき、意味は次のいずれかです:

A. 「…の規定に従う限りで」(制限・優先関係)
B. 「…の規定を条件として」(条件付け)

どの訳を採用すべきか

  • sub rezervo はフランス語 sous réserve de の直訳であり不適切
  • “kondiĉe ke …” は正しいが、構文が変わる
  • “kondiĉe de …” は文法的に不自然
    「規定に従って」 という本来の意味を表せません。
  • “laŭ la preskriboj de …” が最も自然で、意味も正確です。


ChatGPT

この回答を踏まえて、ChatGPTにたずねてみる。

…kondicxe de という訳の採用で良いと思いますか? ある人の意見では、kondicxe de ... は意味論的に不成立なので、laux la preskriboj が最適とのことですが。


kondiĉe de はどうか

ここで私は、あなたが紹介された kondiĉe de la preskriboj にかなり疑問を持ちます(お前が「自然」ていうたやつやんか!)。
例えば kondiĉe de via konsento なら理解できます。
しかし kondiĉe de la preskriboj de artikolo 20 は、「第20条の規定を条件として」と言いたいのでしょうが、規定そのものは「条件」ではなく、むしろ適用範囲、制約、優先ルールです。そのため、意味論的に少しねじれている。

どう訳すか

私ならどうするか。実は Subject to は、場合によって訳し分けたいです。

1. 優先関係なら

kondiĉite de la apliko de artikolo X
あるいは
kun la limigoj difinitaj en artikolo X
など。

2. 単なる従属関係なら

laŭ la preskriboj de artikolo X

3. 条約文らしさを残すなら

konforme al la preskriboj de artikolo X > sub la preskriboj de artikolo X
前者の方が自然。

一般論を出せということでしたら、私の感覚では、

  • sub rezervo de ... → 国際法慣用としては理解できるが、やや翻訳借用臭い
  • kondiĉe de ... → 意味論的に苦しい
  • laŭ / konforme al la preskriboj ... → エスペラントとして最も自然

ただし、実際の条文では Subject to が表す法的関係(優先、例外、制限、適用条件)が文脈ごとに違うので、本来は定型的に一語で処理せず、都度解釈して訳し分けるのが理想だと思います。

Claude の見解

文脈で使い分けが必要と思います。
  • 単純な準拠「〜に従い」
    laŭ la preskriboj
  • 制限・留保「〜の範囲内でのみ」
    sub la kondiĉoj de または ne kontraŭe al la preskriboj de
  • 優先規定の明示
    respektante la preskribojn de

"Subject to..." が優先条項・制限条項を示す場合には、laŭ より sub la kondiĉoj de la preskriboj や respektante la preskribojn の方が原文の法的ニュアンスに忠実ではないかと考えます。
kondicxe de の採用には、意味論的不成立という批判を踏まえると、消極的です。

訳し方

機械的に Subject to を何かの句に置き換える、というのは正しい態度とは思えないので、その都度よく書いてあることを理解して、適当な言い回しを見つけるしかなさそうです。