La Eks-sovetaj landoj kaj siaj politikoj / 旧ソ連の国々と政治

あまり、余所の国の中のことをいろいろ言うのもよろしくはなかろうが、この数日コーカサス地方についてのジャーナリスティックなパンフレット類を読んでも不思議なことがいくつかある。不思議というより解明すべき事項というのが正しいか。
一つには、まがりなりにも「社会主義」を標榜していた国で汚職・腐敗がはびこっていた・はびこっていること。それを批判し、とって代わる目だった勢力がないこと。
汚職・腐敗はレーニンに言わせると、独占資本の国に不可避的な腐敗現象であって、こうした腐敗のアンチテーゼのひとつとして社会主義は登場したはずである。また汚職・腐敗は経済外的「収奪」であって、経済的「搾取」よりも道義的・道徳的によろしくないもののはずだ。「搾取」は労働力商品の売買であるが、「収奪」は詐欺であったり人民の奴隷化であったりするからである。
二つには、基本的人権、とりわけ「社会主義」の「優位点」とされる生存権すら脅かされているということである。
三つには、簡単に「武装蜂起」が発生する武器の散在・蔓延である。
いったい社会主義の時代に何をしていたのだろうか。徹底して二枚看板・二枚舌・二重生活への適応を強制していたのだろうか。


社会主義」=「ダブルスタンダードの抑圧社会」という理解が一番これらを良く説明する、と言わざるを得ない。そしてそれを可能ならしめたのもやはり、陰謀やイデオロギー機構の支配、暴力機関による「抑圧」であったであろう。
もちろんこれらが「社会主義」にのみ固有のことと考えるならば、この世にはもはや抑圧社会は数カ国しか存在しないはずであるが。