試訳 / Traduko prova de parolado de UEA cxe UN en la japanlingvon

たまたま引用した動画が世界エスペラント協会の国連での発言で(ただし、フランス語の発言をエスペラントで吹き替え)、また当該の文書(PDF)もありましたので、リスニングとは別に訳出してみました。語句が適切かどうかは別として、文章は短いのでだいたいこんな感じかなと思います。途中の、PDFには収載されていない「ムルサボ・ライザット」と聞こえる人による「レポート」のところ、"Sekve de la raporto de sinjoro Mulsab Raisad..." 「ムルサボ・ライザットさんのレポートの結果です」というのがよく分かりませんでした。直前に述べた事柄について、ライザットさんのレポートに拠ったということかもしれません。(ライザットの綴りも適当、本当のところは誰と言っているのか僕には不明。)
なお、EBLULはヨーロッパの少数言語委員会というNGOであるらしく、日本語版ウィキペディアでは、欧州連合の言語の一番下の外部リンクに登場しています。それにしても、これらの諸語が相互にどのくらいの近さの類縁関係にあるのかわかりませんが、ヨーロッパですらこのように沢山の言語があるのですね。
PDFファイルをにらみながら発言を聞くと、やっぱりエスペラントは聞き取りやすい言葉だな、と思います。

世界エスペラント協会の代表部の発言▼人権部会、第九回セッション、国連、ジュネーブ、2008年9月17日

 議長、みなさん。
 私どもはここにおきまして、世界エスペラント協会を代表いたしております。世界エスペラント協会は世界的なエスペラント話者の機関でありまして、そのネットワークはすべての大陸をカバーしております。
 私どもの組織、そしてエスペラント話者というものは一般に特別に言語権というものにつきまして注意を払っております。言語権(複数)というものは、諸人権の一つとして明確に認められなければならず、またそれは政治的に中立な言語、エスペラントによって守られるはずだ、と私どもは考えるのであります。
 私どもの組織は、とりわけ言語権の学習についての提案を支持しております。それはEBLUL(ヨーロッパの少数使用言語についての委員会)によって提案されたものであります。
 〔ムルサボ・ライザット氏のレポートの結果であります。?〕
 私はここに私どもの提案を繰り返させていただきます。この提案は2008年9月2日にこの会議室において、人権部会の社会フォーラムで発言(発音 prononcita)されたものであります。それは世界の貧困についての討論でしたが、人々が国連の公用語を話さなかったり、よく理解できないようなところ、また残念ながら貧困による多くの問題の存在するところ、そのような地方にける(言語的な)橋渡しとしての私どもの運動の寄与に関しまして、討論されました。
 私どもはフォーラムの決議や勧告の最終文書をエスペラントに翻訳いたします。私どもはその事業を世界中のエスペランティストのネットワークによって実現いたします。私どもはまた、そのエスペラントに訳されたものを、国連の公用語以外のいくつかの地方の言語に翻訳もいたします。私どものメンバーが協力してやります。
 〔議長、みなさん〕
 皆さんもご存知のように、私どもはここに私どもの呼びかけの文章を25部印刷してお預けする必要がありました(用紙を掲げる)。いつか、私どもがそのような文書を25の言語に翻訳して差し上げられることを、私どもは希望しておるのでございます。
 ご静聴有難うございました。

www.youtube.com
(Interveno de la reprezentantoj de Universala esperanto-Asocio (PDF))
最後の英語がやたらクリアに聞こえます(笑)。


さて、こうして日本語で読み直してみると、エスペラントが「国連公用語」で発信する国連と少数使用者諸言語との橋渡しをしたいです、と提案しているのは分かりますが、「貧困」問題がそれにどのようにかかわっているのか、ということについては言及されていないし、どのような事実や認識があるのか興味のあるところですね。
それと、「エスペランティストは翻訳しようと思います」と宣言しているのであって、国連機関でエスペラントを採用してくれとは、この発言では言っていません。じゃあもう、ドンドコ翻訳がどこかで進んでいるのでしょうか?
この発言だけでは、あまりよく分かりませんね。