奈良県縦断調査 / 道の駅考

はじめに

高齢社会の交通事情
  • 自転車で通勤している。今朝、住宅街の十字路で「止まれ」標識で止まった。そこは左右から来る車も一旦停止義務があるのだが、左から来た軽が車半分も飛び出して止まった。運転手を見るとおばあさんだった。
  • 対向して走ってくる初心者マークをつけた銀色の軽が、遅いながらも安定していない不審なスピードでやってくるので、運転者を見たら、高齢の男性が携帯を見ながら運転していた。よほど引き返して注意しよう思ったが、こちらもそれなりのスピードを出していたので、自転車を止めて振り返ると、引き返すには面倒くさいぐらいの距離が開いていたのでやめた。
  • 先日などは十字路で横断歩道を渡ろうとしていたら、右後方から左折車がやってきて、自分の目の前をかすめて通った。歩行者が横断しているのにどんな野蛮なやつかと思って運転席を見ると、中からおじいさんがこちらをにらみつけていた。何か怒鳴っているらしい。
  • 朝は業者の車以外に通勤や通院などの自家用車が多い。交差点で観察してみると、半分は見た目高齢者が運転している。自分の実家でも高齢者である私の親が運転をしている。これは大変なことである。
  1. 安全速度を守る
  2. カーブの手前でスピードを落とす
  3. 交差点では必ず安全を確かめる
  4. 一時停止で横断歩行者の安全を守る
  5. 飲酒運転は絶対にしない

守ってほしい。

針へ

先日は京都から京奈道路に乗ってしまい、十津川に行こうというのに奈良市内でヘタってしまって、早々に帰ったので、今回はきちんと国道1号、国道24号、国道163号から笠置・柳生を南下して針テラスにて一服。
朝7時台というのに、もうたくさんのバイクが集まってきている。楽しい場所である。しかし、ライダーの高齢化とバイクの大型化は着実に進んでいて、250ccのオフ車に乗っている若者なんてひとりもいない。だいたいバイク屋に行っても250のオフ車なんて売ってないもんね。
甘いコーヒーを飲んで更に南下する。

大宇陀から川上村、上北山村

国道169号線を南下していると、道の駅杉の湯 川上というところを通過。立ち寄ろうかと思ったが、自動車整理の人がいるのに、どこからどのように敷地に入るのか手振りの指示も分からなくて、素通りすることにした。リンク先の「男性 11器 女性 6器」という文字を「男性器11、女性器6」と空目。
トンネルがたくさんできて大きく様変わりした169号線を更に南下。もともと169号と言えば、というか奈良の中南部の道と言えばグネグネしていて峠をうんざりするほど味わうのが奈良の魅力だったのに、これでもかと寒いトンネルができていて、「次の峠を越えたら」というワクワク感や峠を越えて少し開ける眺望などというものは本当に少なくなってしまった。
道の駅「吉野路 上北山」も開店したばかりのせいか、人も商品も少なくて薄暗く「しょぼい」感じである。すぐ食べられるもの(パンやおにぎり)がないのも寂しい。柿の葉寿司は名物かもしれないが、いちいちそんな高価で面倒くさいものはツーリング中には買っていられない。奈良=柿の葉寿司「だけ」という品揃えはもう卒業したほうが良い。


道の駅に何を求めるのか

今回のツーリングで、道の駅は概してショボかった。「針テラス」だけが人をウキウキさせる。ライダーたちは道の駅に何を求めるだろうか。

機能としては休息とみやげ物と旅先で必要になったもの
  • 休息
    • 充分に広くて清潔なトイレ(和式は古い!)
    • すぐ食べられるもの(おにぎり、炊き込みご飯、パン、もちなど)と、水分補給。
    • おちついて座れる場所
    • ガッツリした食事(どんぶり、定食、ラーメン、土地のもの)
  • みやげ物
    • 土地の土産であまりかさばらないもの。うちに帰ればすぐに食べられるもの。
    • せんべいや饅頭はモノによりけり
  • 旅先で必要になったもの
    • カッパ!
    • タオル、ティッシュ
    • 綿棒や耳かき
    • 電池(カメラ用、携帯用、懐中電灯用)
    • ガムテープ
    • キャンプに要りそうなもの


土産のせんべいや饅頭でうまそうなものはほとんどない。とくに饅頭は最低地元で作ってあったとしても、エージレスが入っていて、製造年月日が古いものが多い。賞味期限が二・三日でも「地元で取れたヨモギもち」10個入りで、「地元」のところに力点があって香がよかったりすれば、千円でも僕は買うけどな。家庭や職場へのすぐ食べられるお土産として機能してくれなければだめなのだ。
カキモチや山のものの乾物はかさばる上に持って帰ってもすぐには食べられないので、買わない。どうしてもそこでしか買えないもので大変うまいものなら買うけれど、そう思わせるには試食品や調理法のレクチャーが必要だ。
例えば今回、奈良県の道の駅にこれでもかと販売されていたのは「肉らしい豆な姑」その他であったのだが、たとえそれが奈良県産であったとしても買わないだろう。
逆にこれが調理されて5個・10個と唐揚げなどとして、売られていたら、たぶん1パック買って、その場で食べたと思う。
また、食堂の機能が道の駅そのものになくて、隣接の店にあったとすれば、そこも道の駅としてきちんと紹介してほしいし、店も道の駅の一部のつもりでやってほしい。

たとえば、大塔の道の駅には行きはしなかったけど、ここに売ってるおみやげのうち、

  • かきもち:買わない。今すぐ食べられるようにして売ってあって、試食ができるのなら買うかもしれない。
  • こんにゃく:こんにゃくをみやげ物として買う人の気が知れん。こんにゃくの小皿が混じった定食を出すべき。
  • らっきょ:買わないなぁ。今すぐ食べられないし、キャンプにも持っていかない。汁気多すぎ。
  • 梅ジャム:唯一これは買うかも。試食できるとなお良し。
  • ふきの佃煮:キャンプで食べるには多すぎる。プラ壺に入っていれば買うかも。それより、ふきの佃煮を入れたおにぎりを売れば裁けると思う。
  • 実山椒:好き好きだろうな。若い人は買わないんじゃないかな。どうやって食べるのか知らないだろうな。これも、実山椒を使った定食などを出すとさばける。
http://www.ootou.jp/michinoeki.html
代わり映えしないみやげ物、代わり映えするみやげ物
代わり映えしないものを買ってもらう

みやげ物はどこに行っても実は代わり映えしない。饅頭、せんべい、クッキー、なんだか洋菓子、ブルーベリー羊羹・ゆず羊羹、こんにゃく、葛餅…。どれもこれもフレッシュでないのだ。良くみりゃ中国製・中国産だってたくさんある。せめて地元産にしてほしい。
加えて地元で取れた食材が使ってあればなおよろし。どうしようもないような饅頭でも、たとえば○○村特製の杉コースター十種(名所の焼印などがある)のうち一枚がおまけでついてくるとか、杉の香り玉とか、かさばらない竹細工などが「おまけ」でついてくると、購買衝動は刺激される。
また、500円とか1000円以上の買い物をすると、村内・町内・地域内の神社仏閣の朱印帳(早い話がスタンプラリーの台紙)がもらえるとか。

代わり映えするものを売る

食べ物以外で、それなりに安ければ買うもの:その地にまつわる字句や場所、物品などが染め付けられた日本手ぬぐい、タオル、Tシャツ。似たような薄いやつでいい。今はほとんど見なくなった「ペナント」みたいなもんだ。どこの道の駅でも似たようなこれらが、微妙に違えて、その道の駅でのみ売ってあったら、たとえば奈良の道の駅シリーズ手ぬぐいとか、コンプリート目指すかも。
商売として使えるかどうか分からないが、Tシャツだって、地名に加え、その村内・町内のすべての公立小中学校の校章が並べられているだけでもいいかもいいかもしれぬ。いやいや、単にその自治体のマークでもいいや。ただし、その自治体の職員と間違われないよう、「訪問記念」とか「美しい杉と水源の村」とかユニフォームでないことがわかるロゴもきちんと入れる。1000円もすると僕は買わないけど、800円なら買うかもしれんな。
地図のプリントもいいかも。単純なものから、道路が印刷してあるものまで。ただし、多色は僕はいや。

照明

多くの道の駅では客が少ないせいか、照明が落としてある。薄暗い、田舎の店のようである。おいてあるのも干物ばかり。これは、少し投資してLED照明に変えて、明るい店にしたほうがよい。


観光案内

観光案内は難しい。どの道の駅でも似たような綺麗な印刷物が置いてあるが、「その場でそれを見て、今から行ってみよう」という印刷物はきわめて少ない。まったく関係のない場所での文化行事の案内とか見ても仕方がない(室内の雰囲気は盛り上がるけど)。
「その場でそれを見て、今からでも立ち寄ってみようか」と思わせるには、距離感のわかる地図、みどころ・味・簡単な体験の案内、が示されていなければならない。
バイクにはカーナビがついていないのがほとんどなので、うまい地図がどうしても必要。

国道425から十津川へ

下北山村の道の駅をでるとシミシミ→ピリピリ→シトシトと雨が降ってきた。まさか雨が降ろうとは思ってなかったので今日はカッパを準備していない。
あまり強い雨ではないのと、乗車姿勢のせいか、ズボンは何ともない感じだが、上腕から肩のほうは次第に水がウエアの内側まで浸透してきた気がする。だんだん体が冷えてきた。
国道425号線は、ひたすら崖っぷちのワインディングという記憶だったが、実際はそういうところばかりというわけではなかったのが、意外だった。
十津川に入るにつれ雨は止んできた。
十津川の道の駅もしょぼかった。体が冷えているので温泉に入ろうと、行ったことのない温泉地温泉を訪ねてみるも、民宿はたくさんあるが、公衆浴場が分かりにくく、なんだか腕組みして外に出てそこらを睨め回しているオヤジも複数いて雰囲気が悪いうえ、バイクを停める場所とタイミングも逸したので、いつもの大塔温泉に行くことにした。

トンネル

とにかくトンネルの数が多い。道も昔はひたすらぐねっていたものがショートカット道がたくさん作られて、「奥地を走る」雰囲気はかなり損なわれていた。ここらは2011年の水害で道路は壊滅的になっただろうから、その復興整備は大切なことである。しかし、集落をつないでうねうね走っていたものを、まっすぐの広い道やトンネルでスポイルしてしまうと、もうその集落を訪れることはなく、集落は静かな日々を得られただろうが、無目的な観光ドライバーが立ち寄ることもなくなったと思う。

王塔温泉、天川、吉野

王塔温泉はすごく人が少なかったが、すべて快適だった。
土産として、あん入り餅を買ったけど、製造日が2月のものをエージレスで持たせてあって、おいしくなかった。製造日が古いことは承知だったが、まずかったのは残念だ。
天川村から黒滝村の道の駅を経て吉野山の裏手に出た。

脳天大神

吉野山はもう葉桜だったが人が多く、シーズン中は大変な混みようであろう。山を下っていると「脳天大神こっち」の先が通行止めという看板あり。観光客を当て込んだ新しい神社だろうと思いつつ下りきると、なおも「脳天大神3.5km」という電柱の看板がある。
こうも目に付くと放っておけぬ。看板に従い、極度に狭い家の間の道を進めば、まもなく林道と化すもなお遠い。ようやくたどり着く「脳天大神」。


多くは語るまい。安全に気をつけて貴兄らも行くが良い。変なところではなかった。

再び針

針、針、はり。針はまだなお自宅から遠けれど、「帰って来た」「やってきた」の両方が味わえるでかいスポットである。ラーメンを食して帰った。