かんころ餅をつくった。2

好評につき、かんころ餅をもう一度作った。毎年つくるけんね。



今年の2月は、まず芋をスライスして蒸かしてから乾燥させたのであるが、今回はまず乾燥させることにした。つまり、かんころもち(カンコロ)の作り方(以下「作り方」という)のレシピに従ってみたのである。写真はいずれ付加する予定。


1.

小動物に与えるリンゴの餌のようにサツマイモ約1.5kgを皮をむいてから、例の生ゴミの網に小分けしてベランダで二週間ほど干す。カランカランに乾いた。


ただ、「作り方」の方の干さっているものを見ると、どうも怪しい。
第一に柔らかそうに「へんなり」している。しかし、サツマイモは2〜3ミリの厚さだとリンゴのようにパリンパリンであって、そうとう薄くスライスしないとあんなに凹凸に従って身をくねらせたりしない。
あれは、何か湯通しするか・蒸してから干しているではないかと思う。
しかし、今回すべて生のまま干してしまった。(コメント欄参照)
まあ、澱粉のアルファ化か何かが違うのだが、加熱すれば食べられないことは無かろう。


繊維を断つように切ってみた。今回は生で乾燥させてから加熱しようと思ったからだ。というのも、けっきょくこの芋はペースト状になるので、ペースト化させやすい方が良いと思ったからだ。
しかし、本当は切って・加熱して・乾燥させるのが正しい手順のようだ。
ベランダに干したところ。農家でもなく敷地も狭く、動物に荒らされないように干すというのが難問であったが、生ゴミ用のネットで解決。
切って蒸した芋も前回はこのように干したのだが、当然芋同士くっつくので、ほぐしてやることが必要。加熱した芋はカランカランにはなかなか乾燥しない。カランカランに乾燥しなくても風味は出てくるのでOKです。
ただし、今回は生で干してしまったので、カラカラになるまで干した。

2.

いよいよ本日、つくるぞよ。しかし、「作り方」とは異なり、イモとコメとは別々に加熱してから混合させることにする。
まず、イモを蒸す。失敗すると嫌なので、総量の1/3、すなわち元の500グラムくらいと思われる乾燥芋を鍋で蒸すことにした。いわゆる蒸し器とかセイロとかいうものはなく、鍋に浅く水をいれ、なんだか別の鍋の付属物である多孔のふちのある金属板を入れ(そういうものがすぐに見つからない場合は、猪口などで足場を作り、皿を宙に置く)、そこに網に入ったままの乾燥芋片を置いて蓋をして加熱。

いま、こうして写真を見ると、半分位の重さになっているようだ。

3.

沸騰後10分してから見てみるが、乾燥芋は熱されただけであまり「蒸されて」はいない。やっぱり、半日から一日くらい水で戻してから蒸すべきであったか? 「作り方」のトップの写真はどう見ても水分をねっとり含んでいるように見える。少なくともカラカラに乾いたイモではないな。
次回、残りは水で戻してから蒸すことにしよう。

4.

失敗か? しかし結局、かんころ餅とはサツマイモのジャムともち米を混ぜたようなもののはずだから、このままアズキの餡を作るような感じで煮てしまうことにした。
鍋の中の器材を取り出して網から出したイモ片を直接お湯に投入し、この際砂糖約80gも入れてしまう。
かき混ぜながら水分を飛ばして「漉し餡」のようにしていく。「かんころ」のニオイがぷんぷんしてきて、安堵する。つまり蒸してから乾燥させても、乾燥させてから蒸しても大きくは変わらないらしい。
すっかり、和菓子屋気分で焦げないように竹のしゃもじでかき混ぜながら固めの「アンコ」を作り上げた。


5.

次はもち米である。普通もち米は洗ってから、半日から一日くらい水に漬けておいてから蒸すものであるらしい。しかしそんな知識は僕には無関係なのである。家人に聞くと、「一合くらいだとほんの少しだよ」と言われ二合炊くことにした。しかし、後刻考えると芋の量は一合に相当するくらいであった。
圧力釜があるので、餅米400ccと水400ccを投入し、圧がかかってから5分、火を消して15分むらす。上手に炊けた。

6.

もち米が熱いうちに、鍋に直接「4.」のアンコを全部投入する。ここでもち米が多すぎることに気づけばよかった。しゃもじでかき混ぜてスリコギで突く。つまんでみればなんとなく「かんころ餅」の味であるが、米粒が原型を留めているので妙な感じである。

7.

ここで新兵器、ミンサーとかいうものを取り出だす。準備して置けばよかったのだが、まあ、箱から取り出した。

貝印 ヘルシーミンサー DK-0580

貝印 ヘルシーミンサー DK-0580

(広告収入は僕は得ていません。)
なんでかって、「作り方」でも使ってるから。この間はイワシのつみれを作ってみたさ。これで。
さて、これをちゃぶ台の上において、娘に抑えさせてネッチョリしたこのかんころジャムともち米の和え物を投入してはグリグリとハンドルを回して混合させていく。
当然、娘もグリグリハンドルを回したいので交代でやる。娘はグリグリ専属でやりたいらしいのだが、まだ不器用なので激しく器具が動揺する。動揺する割には回転がのろい。
そのうちネタがどんどん冷えて固くなる!
投入口にネタを入れても抑えないと入っていかないし、付属の器具で抑えるとモチゴメの粘着力ではまり込んで押さえ器具が取り出せなくなってしまう。苦労してこれを取り出してからはスプーンに水をつけて少しずつ送り込むことにした。

8.

二度びきがようやく終わってみれば、まあボールに一杯のグニョグニョである。
ここで本来、プラスチック製のミンサー本体を素早く洗うか何かしなければならないのだが、丸ごと水につけておくことにする。あとで見ればそれは「厳禁」である。このミンサーのスカート部分は中を見ることができないし、ハンドルの回転をグリグリに伝える歯車部分にも水が入ってはいけないらしい。

結構な量になる。みなの衆も自分で作るときは1合相当くらいで我慢することをお薦めする。
なお、色が「かんころ餅」と違うのは、一つには上の「秤」の上に乗っている写真の通り、ベニ色の芋が混じっていたためと考えられる。もうひとつには、もしかしたら、加熱しないで干した芋だからかもしれない。
個人的にはそんなに風味はおかしくないと思うのだが、やっぱり加熱してから干すべきであったとは思う。

9.

バットを出してきて、片栗粉を敷いて、適当量のグニョグニョをそこに出して整形。子どもも当然手を出してきて、そこらへんが片栗粉だらけである。うわー。

10.

概ね三本のかんころ餅ができた。二本はアルミホイルにつつんで冷蔵庫に寝かせて、一本をみんなで食べた。やはりモチゴメが多すぎて、まずかったり、別物だったりはしないのだが、イモの風味は少し薄かったようだ。
残りの乾燥芋で、こんどこそ大成功を収めたいと思う。

11.

さて、部屋を掃除して、モチゴメやイモがこびりついた鍋、しゃもじ、ミンサー類を洗う。お湯があったから良かったけど、お湯無しでは絶対にやってはいけませんね。洗えないから。




お役に立ちましたでしょうか?

12.

追記12/26
けっきょく、これはなかなか固くならなくてネットリしたままだった。味は特段の問題はなし。ちょっと薄味かな?
ネットリが不満で、昨日、もち米0.6合と残りの芋(今度は半日水で戻してコメと一緒に炊いた)ものを混ぜ、もういちどミンサーで引き直した。
やっぱり、もち米を少なくしたほうが良いようだ。
作りながら、「ゆべし」や「くじら餅」を思い出した。あれは上新粉で作るんだよね。
今、冷蔵庫で二日目を迎えた「かんころ餅」だが、やっぱそれでも、もち米が多かった感じ。前回の米対芋の量は正解だったようだ。
なお、コメント欄にも紹介したリンク先様も、違う手順でおいしそうに作っておられる。
http://fanet.jp/cgi-bin/diary/View.cgi?CT=28&RN=00026&LP=1
作り方は1つではないと知る。