放射能汚染

大気汚染防止法

第一条  この法律は、
  • 工場及び事業場における事業活動並びに建築物等の解体等に伴うばい煙、揮発性有機化合物及び粉じんの排出等を規制し、
  • 有害大気汚染物質対策の実施を推進し、
  • 並びに自動車排出ガスに係る許容限度を定めること等により、
  • 大気の汚染に関し、国民の健康を保護するとともに生活環境を保全し、
  • 並びに大気の汚染に関して人の健康に係る被害が生じた場合における事業者の損害賠償の責任について定めることにより、
  • 被害者の保護を図ることを目的とする。
第二十七条  この法律の規定は、放射性物質による大気の汚染及びその防止については、適用しない。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S43/S43HO097.html

水質汚濁防止法

第一条  この法律は、
  • 工場及び事業場から公共用水域に排出される水の排出及び地下に浸透する水の浸透を規制するとともに、
  • 生活排水対策の実施を推進すること等によつて、
  • 公共用水域及び地下水の水質の汚濁(水質以外の水の状態が悪化することを含む。以下同じ。)の防止を図り、
  • もって国民の健康を保護するとともに生活環境を保全し、
  • 並びに工場及び事業場から排出される汚水及び廃液に関して人の健康に係る被害が生じた場合における事業者の損害賠償の責任について定めることにより、
  • 被害者の保護を図ることを目的とする。
第二十三条  この法律の規定は、放射性物質による水質の汚濁及びその防止については、適用しない。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S45/S45HO138.html

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律

第一条  この法律は、
  • 船舶、海洋施設及び航空機から海洋に
    • 油、有害液体物質等及び廃棄物を排出すること、
    • 海底の下に油、有害液体物質等及び廃棄物を廃棄すること、
    • 船舶から大気中に排出ガスを放出すること
    • 並びに船舶及び海洋施設において油、有害液体物質等及び廃棄物を焼却することを規制し、
    • 廃油の適正な処理を確保するとともに、
  • 排出された油、有害液体物質等、廃棄物その他の物の
    • 防除並びに海上火災の発生及び拡大の防止
    • 並びに海上火災等に伴う船舶交通の危険の防止のための措置を講ずることにより、
  • 海洋汚染等及び海上災害を防止し、
  • あわせて海洋汚染等及び海上災害の防止に関する国際約束の適確な実施を確保し、
  • もつて海洋環境の保全等並びに人の生命及び身体並びに財産の保護に資することを目的とする。
第五十二条  この法律の規定は、放射性物質による海洋汚染等及びその防止については、適用しない。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S45/S45HO136.html

土壌汚染対策法

第一条  この法律は、
  • 土壌の特定有害物質による汚染の状況の把握に関する措置
  • 及びその汚染による人の健康に係る被害の防止に関する措置を定めること等により、
  • 土壌汚染対策の実施を図り、
  • もって国民の健康を保護することを目的とする。
第二条  この法律において「特定有害物質」とは、
  • 鉛、砒素、トリクロロエチレンその他の物質(放射性物質を除く。)であって、
  • それが土壌に含まれることに起因して人の健康に係る被害を生ずるおそれがあるものとして政令で定めるものをいう。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H14/H14HO053.html

農用地の土壌の汚染防止等に関する法律

第一条  この法律は、
  • 農用地の土壌の特定有害物質による汚染の防止及び除去並びにその汚染に係る農用地の利用の合理化を図るために必要な措置を講ずることにより、
  • 人の健康をそこなうおそれがある農畜産物が生産され、
  • 又は農作物等の生育が阻害されることを防止し、
  • もつて国民の健康の保護及び生活環境の保全に資することを目的とする。
第二条 3 この法律において「特定有害物質」とは、
  • カドミウム等その物質が農用地の土壌に含まれることに起因して人の健康をそこなうおそれがある農畜産物が生産され、又は農作物等の生育が阻害されるおそれがある物質(放射性物質を除く。)であつて、政令で定めるものをいう。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S45/S45HO139.html

化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律

第一条  この法律は、
  • 人の健康を損なうおそれ又は動植物の生息若しくは生育に支障を及ぼすおそれがある化学物質による環境の汚染を防止するため、
  • 新規の化学物質の製造又は輸入に際し事前にその化学物質の性状に関して審査する制度を設けるとともに、
  • その有する性状等に応じ、化学物質の製造、輸入、使用等について必要な規制を行うことを目的とする。
第二条  この法律において「化学物質」とは、
  • 元素又は化合物に化学反応を起こさせることにより得られる化合物(放射性物質及び次に掲げる物を除く。)をいう。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S48/S48HO117.html


いったい、放射性物質による環境汚染は規制されていないのか? 

環境基本法

放射性物質による大気の汚染等の防止)

十三条  放射性物質による大気の汚染、水質の汚濁及び土壌の汚染の防止のための措置については、原子力基本法 (昭和三十年法律第百八十六号)その他の関係法律で定めるところによる。

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H05/H05HO091.html

原子力基本法

放射線による障害の防止措置)

第二十条  放射線による障害を防止し、公共の安全を確保するため、放射性物質及び放射線発生装置に係る製造、販売、使用、測定等に対する規制その他保安及び保健上の措置に関しては、別に法律で定める。

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S30/S30HO186.html

核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律

この法律には「被害」「健康」の言葉は一回だけ使用され、「保護」という言葉は使用されていない。

第六十二条  核原料物質若しくは核燃料物質又はこれらによつて汚染された物は、海洋投棄をしてはならない。

ただし、人命又は船舶、航空機若しくは人工海洋構築物の安全を確保するためやむを得ない場合は、この限りでない。

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S32/S32HO166.html

深夜になってしまったので、今日はここで終わり。
結局、放射性物質をばら撒いて環境を汚染したことをとがめる法律は何なの?

…市民に原発の「安全神話」を振りまく一方で、土壌汚染防止法、水質汚濁防止法、海洋汚染防止法などに放射性物質を除くという文言を入れ、事故の際の責任逃れの準備をしていた。このため日本の現行法では放射性物質を汚染物質と認めず、被害者に事故証明が出ない。…
(佐久間英俊氏(中央大学)「福島原発事故と科学者の課題」『日本の科学者』(2012年6月号)の脚注)

ないのか?