Tio と Ĝi

試訳

Tio と ĝi

 場合によっては tio と ĝi とどちらを使うか迷うかもしれない。ふつう、正確な名詞(原文は名詞とは書かずに o で終わる O-vorto[j] と書いてある)によって命名できない・したくないような、定義されていないものについては tio を使う。また、文全体によって表現されたようなものを示すためには必ず tio を使う。定義されたもので、名詞によって前もって表現されたもの、la 付きの同じ名詞や他の定義をによって繰り返してしまいそうなもの(繰り返したくないもの)については ĝi を使う。

  • 「彼女は美しい物語を話した」。Tio それはとてもおもしろかった。「彼女が物語った」ということがおもしろかったということ(物語ではなく)。「Tio」はここでは前の文章全体を示している。
  • 「彼女は美しい物語を話した」。Ĝi それはとてもおもしろかった。面白かったのはその物語。「ĝi」はその文章の「その(美しい)物語」という部分を指している。
  • 「咳をした tio のは、ヤーニョ、あなたなの?(それとも何か別の音なのか)」。発言者は何が原因の音かを特定できないで音を聞いた。「Tio」はここでは容易に判明しない事柄について示している。
  • 「僕は枝の折れるのを聞いた。君もそれ tion(ke 枝が折れる)を聞いただろ?」
  • 「変な音がしたのが聞こえた。君もそれ ĝin (変な音)を聞いただろ?」


ただし、ザメンホフは時として、今日われわれが tio をつかうところで ĝi を使ったりしている。

https://bertilow.com/pmeg/gramatiko/oa-vortecaj_vortetoj/tabelvortoj_o.html#i-6h8