相関詞国―九神の国1












先生:君は相関詞って聞いたことがあるかね?
カルロ:ソーカンシ? いいえ、先生。そんなものたちについては聞いたことがありません。しかし、それって何です? 昆虫の一種ですか?
先生:いや、昆虫なんかじゃないんだ。ソーカンシっていうのは、変わった人たちの呼び名でね、大昔、相関詞国という国に住んでいたのだよ。
カルロ:ヘンなの。そんな国聞いたこともないですね。どこにそれはあるんですか?
先生:どこにもないさ。その国はもう存在しないんだ。神さまに滅ぼされたからね。その国の司祭長、大変な賢人なんだが、彼が王とその廷臣たちに神々の秘密をばらした、ってことが起こったんだ。それが「ウー」という神さまの気に入らなくて、恐ろしい地震を起こしたのさ。それで住民たちが犠牲になっただけではすまなくて、国全体も破壊されてしまったのだよ。
カルロ:先生、ぼくにその話をしてはいただけませんかね? その話、面白いですね。
先生:喜んで話してあげよう、カルロ、もし君がちゃんと聞くって約束するならね。
カルロ:約束しますよ、先生。
先生:よろしい、じゃあ聞きたまえ。
(続く)