在日外国人が多くなっていく中での英語学習

外国人労働者・移民・難民ってだれのこと?』

ようやく、標記 内藤正典氏著『外国人労働者・移民・難民ってだれのこと?』(2019年、集英社)を読んだ。


今の通勤先の一つのある地域には、理数系の高等教育機関があって、昼ころそのあたりを歩くと、一見して外国人ばかりである。どうも中国人(会話で中国語だと分かる)とインドネシアあたりからパキスタンあたりという顔貌の青年たちが多い。そこらは、まったくそういう人たちのほうが多く、たまに日本人かと思えば中国語を喋っている。みな、楽しそうなので良かったなと思う。


多くの人の読んでほしいので、出版社のページから引用して内容から紹介する。

はじめに 世界では人が国境を越えている!

第1章 外国人労働者ってどんな人? 移民とどこがちがうの?
外国人労働者とはどういう人のこと?/外国人が増えると治安が悪くなるのか/外国人労働者か、移民か

第2章 難民ってどんな人?
ボートで密航する難民たち/難民が来た国はどうするか/難民は、なぜ豊かなサウジアラビアに行かなかったか

第3章 移民と難民はどこがちがうの?
なぜ難民の数は急激に増えたのか/難民の増加におびえるヨーロッパ/難民なのか、移民なのか

第4章 日本はどうやって外国人労働者を受け入れるの?
技能実習生はなぜ逃げるのか /家族の帯同を認めない政府/特殊技能2号は実質的に「移民」

第5章 世界に学ぶ移民、外国人労働者問題
習慣のちがいが偏見を生む/ドイツでは六〇年前に同じ問題が起きていた/「ここは私のワンちゃんの道よ」

第6章 一〇〇万人のジャーニー・オブ・ホープ
なぜ突然難民はスロベニアに押し寄せたのか/難民をかくまった話/ジャーニー・オブ・ホープ(希望への旅路)はつづく

第7章 日本は難民を受け入れてきたのか?
日本の難民受け入れは?/日本に来るにはなにが必要?/ビザがあっても入国できないことがある

第8章 外国人と仲良くなろう
人として接することの大切さ/移民街はあぶないのか/外国人と仲良くするためのヒント

https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-781672-3

どのような英語学習か

第8章は「外国人と仲良くなろう」で、項目建ては次のようになっている。

  • 人として接することの大切さ

…中略…

  • コミュニケーションの大切さ
  • 正しい発音って何?
  • 外国語を学ぶわけ
  • 人間としてやってはいけないこと
  • 同化主義と多文化主義
  • 外国人と仲良くするための10のヒント

近所に住んでいる、英語を少しか流暢にか喋る外国人と仲良くするために、日本人の英語はどうか。どのような問題があるか。著者は次のようなことを述べている。

日本の英語教育は〔おそらく英語教育だけではなく〕コミュニケーションツールとして「相手のことを考えて話す」というトレーニングをし〔てい〕ない。会話ではネイティブの発音を強調しすぎである。
「自己紹介でマイ・ネーム・イズ◯◯」はイケてない英語だと言われる。これで意味が通じないと困るが、そんなことはない。
しかし言葉でコミュニケーションをとらないと、相手に対する不安は消えない。世界中のマスコミが作ったイメージが相手につきまとってしまう。コミュニケーションをとろうとしなければ、恐怖や反感ばかりが増幅されていくことになる。
英語を自分より上手な人に習うことは大切だが、自分より下手な人が言いたいことは何なのか、察しなければならない、そのような接触の機会も必要ではないか。異文化との共生にはむしろ必要である。

日本にやってきて長く住もうという人が日本語・英語以外にわざわざエスペラントを勉強してくるかと言うと、そういう人は皆無に近いと思うので、英語も勉強しておくに越したことはないように思う。まあ、中には英語が通じなくて腹立つというガイコクの人にも出会うことがあるが。